材料物性研究室
最近の研究テーマ

1)含水高分子ゲルの外部環境選択的膨潤挙動と生活材料への応用
ポリビニルアルコールやポリエチレンオキシドなどの水溶性高分子を橋架けして調製した含水高分子ゲルは,外部水溶液の溶質の種類,濃度などにより,選択的な膨潤収縮を示す.これらの膨潤挙動のメカニズムを解明し,高機能な生活材料としてのゲル材料の応用を考える.
2)含水高分子膜の選択透過性
含水高分子膜は,医用,産業用,家庭用など,様々の分野で,その選択透過性を利用して用いられている.生活環境の浄化などの観点から,膜の利用は今後ますます展開するものと思われる.本研究室では,特に荷電膜について研究を続けており,最近は2価のイオンを含む荷電膜系でみられる選択透過性を膜電位より検討している.
3)消臭繊維の消臭機構の解明
生活環境における「におい」の問題が近年取り上げられるようになった.本研究室では,天然繊維である羊毛,絹,あるいは合成繊維であるアクリル系繊維などに銅などの金属を持たせることにより発現する消臭特性の測定とその機構解明を行っている.
4)超極細繊維の吸湿性
繊維の表面部分(表面から数ナノメーターの範囲)は,繊維の内部とは非常に異なる性質を持っている.吸湿性の少ない合成繊維でも,繊維の太さをを細くすると表面部分の性質が大きくあらわれるようになり,吸湿性が増大する.本研究室では,ナイロンの超極細繊維について,逆相クロマトグラフィーを用いて吸湿性を調べ,極細繊維の高機能繊維としての利用を検討している.

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